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■帯祝い
妊婦が妊娠5か月目の「戌の日」になると、下腹部に帯を巻く儀式が行われます。これは、これから先の妊娠と胎児の無事を願う儀式で、多産でお産も軽い犬にあやかって、安産であるようにと祈願します。儀式に用いる帯は、一般に「岩田帯」といい、「斎肌帯(いはだおび)」か「結肌帯(ゆいはだおび)」が変化してできた言葉だそうです。また、妊婦が腹に帯を巻くことからその儀式を「着帯式」と呼んでいます。
昔は、この帯祝いのために紅白の絹の帯を二筋と普段に使用するためのさらし木綿一筋を妻の実家から送るのが習わしでしたが、今では地域の安産祈願で有名な神社から授かることになっています。安産の神は「産神」と呼ばれ、地方によっては、それが山の神だったり、便所の神だったりしました。通常、安産の神といえば「水天宮」が挙げられます。ここには、お宮参りも多く、岩田帯をもらいに来る人が後を絶ちません。
■お七夜
生後7日目の夜に、子供の健やかな成長を願って行う行事が「お七夜」です。昔は、仲人、祖父母など一族が揃って、赤飯に尾頭付きの料理でお祝いをしましたが、最近はごく親しい人を招いて、内祝いの形をとるほうが多いようです。
赤ん坊の名前は、法律では生後2週間以内に決めることになっていますが、通常、お七夜に「命名の義」が行われるしきたりがあります。命名の義は、命名書をへその緒と共に神棚か床の間に供えたり、半紙に赤ん坊の名前と生年月日を書いて、鴨居に貼りつけたりします。また、この日は産婦の床上げの日とされ、「枕引き」「枕下げ」「巣立ち」とも呼ばれました。
■お宮参り
その昔、子供の誕生は、将来、家の生活を支えてくれる新しい労働力の誕生を意味すると同時に、村落共同体の一員が増えるという、村の喜びの意味も持ち合わせていました。地方によって異なりますが、生後男児30日、女児32日で「お宮参り」を行います。お宮参りとは親が生児を神社に連れて行き、将来の健康と幸福を祈願するものですが、これは、その村落共同体の一員に参加するための儀式が今日に残ったものなのです。新生児は、土地の神である「産土神(うぶすながみ)」のところへ行って、その土地で生まれたことを報告し、お守りをもらい、身につけることによって氏子の仲間入りができました。従って本来、お宮参りは、出生地の氏神か、これから住むことになる土地の氏神へ参拝するのが正しいことになります。
また、お宮参りは、産婦の忌み明けの儀式でもあります。産婦の身体は、出産後ある一定の期間、汚れていると考えられ、出産の安全を守護する「産神」以外の神からは、遠ざかっていなければなりませんでした。生後何十日かたってから宮参りをする理由はここにあります。
■お食い初め
「お食い初め」は、赤ん坊に生まれて初めてご飯を食べさせる儀式で、その赤ん坊が一生食べ物に苦労しないようにとの願いが込められています。ちょうど離乳食の始まる生後100日目に行われることが多く、地方によっては生後110日目、120日目というところもあるようです。
正式には、母方の実家から贈られた家紋入りの漆器の祝い膳を使い、茶碗、お椀、箸などはすべて新しいものが使われますが、現在では、プラスチック製のベビー用食器セットを新調し、そのまま離乳食用に用いる方が多くなっています。
■初誕生
初めての誕生日を祝うことを「初誕生」といいます。日本人には何事も「初」を尊ぶという考え方があり、それを「先祝」といいました。つまり、先に祝ってしまえば、将来は願ったとおりになるという考え方です。初誕生は、別名「もち誕生」ともいわれ、「立ちもち」「力もち」といった餅をついたり、餅を子供に背負わせる風習があります。ここには、健康で力持ちの子に育って欲しいという親の願いが込められています。また、初誕生を前に歩く子供には、餅をぶつけて転ばせる地方もあります。
日本人にとって餅は昔から神聖なものとしてあがめられ、ある種の霊力が宿ると信じられてきました。ですが、満一歳の誕生日に餅をつく風習は、都会ではあまり見られなくなっています。変わりに1本のロウソクを立てたバースディケーキで祝う初誕生が登場しましたが、これも時代の流れなのでしょう。
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